SGHトピックス

2年スーパーグローバル(SG)基礎知識講座3

11月15日(水)、第3回SG基礎知識講座を行いました。箕面市国際交流協会前理事長の荻野克彦さんをお迎えし、講演していただきました。演題は「アメリカの人種問題と人権について」で、ご自身が6年間、日本の製薬会社のアメリカ工場で管理運営のお仕事をされていた経験から、「黒人差別」「米国の強さ」について語っていただきました。多様性国家で、かつ訴訟社会であるアメリカでの工場経営は、日本とは異なる価値観、人権感覚の上に成り立つ社会感に配慮することが求められます。日本とアメリカとの関係の中で、特に印象深いお話がありました。米国が作成した第二次世界大戦での降伏文書の内容について、日本の海軍大将が即座に反発し、その内容を取り消させたことでした。戦争に負けても言うべきことをきちんと言った日本人、論理的な異議申し立てに納得し、それを受け入れ、文書を書き直したアメリカ人、ともに筋の通った素晴らしい感覚、考えの持ち主であった、とお話されました。また、現在のアメリカについては次のような内容でした。「理屈を通し自由と平等を重んじるアメリカだが、黒人差別は学校・バス・レストランなどにおいて今なお根強く残っており、理屈を重視する精神とは別の次元で、解決のままならない影の部分がある。それでいて、世界における寄付金の額、GDP、ノーベル賞受賞者の数が示すように、いまなお世界のリーダーとして健在である。一部の優秀な人材が国をひっぱっている、能力のある者にチャンスを与える教育がある、人と違うということを大事にする文化がある、世界から高度な人材が集まる環境が整っている、人種などで差別されず、平等に機会が与えられる、そういうアメリカがある」と、大変興味深いお話しでした。最後に、コミュニケーション力として必要なことは、『言語の習得+理屈で説得する論理的思考力+相手を寛容に受け入れる異文化理解+ハート+自分を持つこと』であるとお話しされました。それらを踏まえた上で、2つの事例を読んで、各班が意見をまとめて発表するワークショップを行いました。お互いの関係が悪くならないように努めながら、自身の意見を出すことの大切さについて考えることができました。人権、国際理解、自己理解、他者理解など、グローバルな感覚を磨く、大変貴重な講演およびワークショップの時間となりました。