校長室だより

校長室だより

静岡県立川根高校(連携型中高一貫校)を視察

2015年3月20日(金) | 校長室だより

平成27年3月20日(金) 静岡県立川根高等学校を視察しました。堀田英正校長 嶋照生副校長に対応していただきました。
川根高校は、SLで有名な大井川鉄道沿線の山間地にある高校で、3つの中学との連携型中高一貫教育校です。普通科の高校で全校生徒数は143名(240名定員)です。
地域の人口減少に加え、進学意識の高い中学生が都会の学校に流れるなど、本校との共通点が多い学校でもあります。
また、少人数でありながらも、各学年を3クラス展開(うち1クラスを特別進学クラス)するとともに、3年生では、全教員が3~4人の生徒のチューターとなり、個別の進路指導を徹底させています。このことにより、進学、就職で高い実績をあげているとのことです。
今回の視察を通じ、川根高校の魅力化と存続につながる様々な取組を教示していただきました。特筆すべき事項を3つ紹介します。
第一に、地元川根本町が、遠隔地からの生徒に下宿先等を提供する制度である「川根留学」の導入です。これは、学習やクラブ活動などに対して意欲の高い生徒を県内全域から入学させることにより、地元生徒に刺激を与えるとともに、地元生徒の川根高校対するイメージを変えさせ、地元中学からの入学生の増加につなげていくためのものです。(1か月の寮費7万円のうち、3万円を川根本町が補助)
現在、町立の診療所あとの建物を寮として提供しています。私がうかがった時には、寮生が増えることで、新たにベッドなどを寮に運び込む作業をされていました。今後、川根本町とは、本格的な寮の建設を検討しているとのことでした。
第二に、スクールバスの導入です。これは、大井川鉄道の減便にともない、生徒の通学に支障をきたさないよう、川根本町がスクールバス(バスは町民の寄付)を走らせることになりました。バスを利用しているのは、大井川鉄道の定期券を利用する者で、おもに川根本町外の生徒たちです。
第三に、「学校応援団(人材バンク)」の設立です。現在、こころざし団員7000人が登録(無料)されています。また、サポート団員といって、直接学校の支援に係ってもらう人たち10人が登録されています。来年度は、総学の時間に来てもらい、生徒に生き方について語ってもらうとのことでした。
堀田校長、嶋副校長とは、本校や川根高校など、生徒減少など共通の課題を有する学校間でネットワークを構築し、ともに頑張っていくことを確認しあいました。

川根高校玄関

川根高校玄関

元町立診療所を利用した遼

元町立診療所を利用した寮

寮の中のキッチン

寮の中のキッチン

4月からの入寮生のためのベッドの設置

4月からの入寮生のためのベッドの設置

町民の寄付と町の運営によるスクールバス

町民の寄付と町の運営によるスクールバス