SGHトピックス

H29年度 SGH研究発表会

2月3日(土)、 能勢町淨るりシアターホールにおいて、今年のSGH課題研究の集大成である「平成29年度SGH研究発表会」を開催しました。

本校は平成27年度にSGHに指定され、「国際協力の現場で判断力と実践力を培うグローバル人材育成」をテーマに掲げ、研究開発に取り組んでいます。3年目の今年度は、2年生13名のスーパーグローバルスタディ(SGS)受講生徒たちが、「マレーシア 経済発展と自然破壊」をテーマに掲げ、課題研究を進めてきました。うち1名は現在マレーシアの姉妹校ASSUNTA高校に留学しており、今回は 12名での発表となりました。

発表の前半では、まず、1~3年のスーパーグローバル(SG)重点分野講座受講生徒3名による、「高校生地域創造サミット報告」、1年生SG重点分野講座受講生徒による、「ビジネスプランエントリー作品発表」を行い、その後2年生12名のSGS受講生徒たちが国内・海外実態調査について、“Understanding the World Through Fieldwork”を英語で発表しました。

後半では、2年生SGS受講生徒12名が3グループに分かれて課題研究発表「グローバルな視点からの地域課題解決について」を3つの課題研究に分かれて発表しました。課題研究発表の合間には、1年生2名によるコント「問題提起パフォーマンス」や、生徒がマレーシアで撮影したドローン映像もあり、今までにはない多彩なプログラムとなりました。

全員が分担してプレゼンテーションを行い語りかける、一人一人それぞれが意欲を持って学び、調べ、行ったこと・分かったこと・訴えたいこと・為すべきことを、それぞれが自信を持って、堂々と話すことが出来ました。「発表が本物なら、聴き手も本気になる」もので、北は北海道、南は沖縄まで全国から来られた聴衆者の方々からは鋭い質問が飛び交いましたが、それに臆することなく、自分達が学び考えたことを探り出しながら、しっかりと答えていました。また、最後に発表生徒全員が壇上で自分が二年間SGSをやりきった“想い”を述べました。その言葉の端々に、指導してもらった先生方、地元である能勢やマレーシアの現地調査で出会った多くの人々への感謝、さらに先輩達が取組んできた研究の成果から学んできたこと、など発表を終えての自分達の率直な今の感想を語りました。

研究発表後には、運営指導委員の方々から指導講評をいただきました。

「現地で調査し、学び考え、発表し、大人の側に“課題”を痛感させる素晴らしい研究発表でした。ここからまた、次の一歩を踏み出してほしい」 伊井直比呂氏(大阪府立大学)

「援助する人、援助される人に二分された社会から、みんなで助け合う社会になりつつある。世界の現場ではWhyだけでなくHowも大切。今回の発表はWhyとHowが上手く組み合っていた。みなさん是非世界で活躍してください」 岡田尚美氏(国際開発機構)

「みんなは大きく成長している。その裏で支えてくれた人達を忘れないで」片寄俊秀氏(みつや交流亭・元関西学院大学)

「被災地に行って初めて気づいたこと、その気づきを地域に生かそうとするその姿勢が大切」平岡光生氏(能勢町商工会)。

また、辻川義弘氏(大阪府教育センター)、岡本真澄氏(大阪府教育センター)からも、お褒めの言葉と心温まる指導講評をいただきました。

2年生重点分野講座で一年間課題研究指導をいただいた乾陽子先生(大阪教育大学)からは、「熱帯雨林は本当に保護すべきなのか。生物多様性は大切なことなのか。能勢町を盛り上げることは本当に重要なことなのか。心地よい言葉ほど疑ってください。人類や地球に希望を捨てないで欲しい」と話していただきました。

来賓としてお越しいただきました、上森一成能勢町長からは、発表に対する高い評価をいただきました。また、上島一彦大阪府議会議員からは能勢町と共に歩んでいきたいという、本校やSGHの取組みに対して、大きな期待と熱いエールを送っていただきました。

閉会を前に、平野祐一豊中高校学校長からご挨拶をいただきました。最後に、向井幸一校長の謝辞で発表会を締めくくりました。

来年度はSGHの活動も4年目に入ります。この3年間の実績と、積み上げてきた経験をもとに、さらに内容を深めたSGH課題研究になるよう取組んでいきますので、ご理解・ご支援をよろしくお願いいたします。また、ご多用の中、約150名もの多くの皆様にご来場いただきましたことに厚くお礼申しあげます。

◆当日のプログラムとその内容を報告します。

13:15
☆学校長挨拶(向井幸一校長)・来賓紹介・一年間の活動説明
☆SGH運営指導委員、課題研究指導者紹介

13:30
☆発表① 高校生地域創造サミット報告 「三重県南伊勢町の取組みから学ぶ」
3年 大城桜子 2年 木下千穂 1年 辻 結衣名
1~3年次の生徒3名が、12月に三重県南伊勢町で行われた「高校生地域創造サミット」に参加しました。2日間の活動の紹介とともに、地元地域を盛り上げる活動をしている全国の高校生と交流したことを、能勢町へどう活かしていくかを提案しました。→地域創造サミット

13:40
☆発表② ビジネスプランコンテストエントリー作品
「日本の故郷文化探検隊~広がる日本固有文化~」 1年 田中裕也
第5回高校生ビジネスプラングランプリ応募作品、及び、その後再考して見つかった課題を解消する新たなプラン、さらに学習の過程や、今後の課題など、半年間の学びを発表しました。→ビジネスプラン

☆問題提起パフォーマンス (1年生 天堀健太、小倉惇)
「君が食べているエビチリがマングローブ林を破壊する」、「僕が食べているポテトチップスが熱帯雨林を破壊する」を1年生2人が、2年生の発表前の導入として、関西弁コントで問題提起しました。

14:00
☆発表③ 平成29年度国内・海外実態調査について(英語発表)
2年 SG重点分野講座生 12名
「Understanding the World Through Fieldwork」
10月29日(日)~11月4日(土)の7日間、12名がマレーシアで海外実態調査を実施しました。また、11月5日(日)~8日(水)の4日間、宮城県気仙沼市、岩手県陸前高田市、大槌町を訪れ、国内実態調査を実施しました。これらの活動の様子を英語で発表しました。→英語プレゼン

14:30
☆発表④ 課題研究プレゼンテーション (日本語発表)
~グローバルな視点からの地域課題解決について~

○グループA:「震災復興・被災地の取組みから考えるふるさと創生」
2年 笠岡庸、西佳乃子、西井レオン、福井優、藤井俊輔
東日本大震災の被災地である、気仙沼市・陸前高田市、大槌町の現状や震災復興の取組みを踏まえ、「街づくり」・「自然環境との共生」の2つの観点から能勢町の活性化のための方法を提案しました。→SGS発表【A】

☆ドローン映像:現地での生徒撮影映像を上映(約1分間)

○グループB:「エビ養殖とマングローブ林破壊」
2年 長友健斗、東愛梨、水田龍斗、齊藤依乃里(留学中)
マレーシアでは、エビ養殖のために、マングローブ林を破壊し養殖池を造成している。ペラ州のエビ養殖現場を訪れ、関係者にインタビューを行いました。世界的にエビの需要が高まる中、持続可能なエビ養殖とはどうあるべきかを考察しました。
SGS発表【B】

○グループC:「オイルパームプランテーションと熱帯雨林の伐採」
2年 稲原龍一、木下千穂、田村優紀、服部亮太
マレーシアのボルネオ島サラワク州では、オイルパームプランテーションの急速な拡大に伴い、熱帯雨林が減少しています。マレーシアから輸入されたパームオイルに依存している私たちは、この問題に対してどう考え、何をすべきかを考察しました。
SGS【C】

15:20
☆生徒による感想

15:30
☆運営指導委員・課題研究指導者指導講評
☆能勢町長講評
☆大阪府議会議員講評
☆豊中高校校長挨拶

16:10
☆学校長謝辞

16:15
☆閉会

◆司会(1年 後大成、中岡厚太、内田千秋教頭)

◆SGHの取組み展示公開(会場ロビー)